大学概要

研究科長あいさつ

バイオ環境研究科長 三村 徹郎

未来の地球を救うのはバイオ環境科学

未来の地球を救うのはバイオ環境学です。未来の地球環境創出のためには、環境/農業/生命/食についての総合的な「バイオ環境学」を身につけることが重要です。バイオ環境学は、刻々と変化する地球環境の中で、自ら生物を観察し、作物を育成し、環境と生物の関係を生命科学の基礎知識を基に考えることで初めて身に付くものです。本研究科では、未来バイオ環境共創センター(FuBEIC)を中心に、2 領域を横断的に統合する研究や、ゲノム解析など最先端の演習、SDGs の文理融合教育を行います。学内の4学部、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学、多くの企業や自治体との共同研究を進め、バイオ環境の維持・発展のための基礎研究、新技術開発から社会実装までを視野に入れた教育・研究を推進します。未来の地球環境を考える意欲を持つ皆さん、ともにバイオ環境学のプロフェッショナルを目指しましょう。

研究内容や教育内容

食と健康:健康寿命延伸に向けて、食品の機能性を多面的に評価する

健康な生活を維持増進するためには、生活習慣の中でもとりわけ食生活は重要であり、毎日食べている食品を単に栄養としてではなく、機能性成分を積極的に取り入れることで健康寿命を延伸できるように研究を進めています。さらに、亀岡市、医薬基盤研究所・国立健康栄養研究所とのコラボレーションで、コホート試験のデータから、運動も含めた生活習慣改善の提案を行っていきます。

環境と農業:水田生態系で多様な生物と共生する

アジアに広がる水田は、米の生産場所として食を支えると同時に、多様な生物との共生を実現してきました。生物多様性や生態系の回復が世界的な目標となっている現在、低投入持続型農業や有機農業などの取り組みと協働して、水田生態系のポテンシャルを活かし、より多くの生物と共生する環境を創出します。

地域食資源:京都の伝統農作物のゲノムを解明し、次世代の品種改良につなぐ

京都には、丹波の黒大豆や丹波大納言など、高品質な農作物があります。それらは昔から京都で受け継がれてきた在来品種が素材となってできあがった銘柄です。そうした伝統素材の特徴をゲノム解析等で解明し、品質の良さを残しつつ、今後の環境変動にも適応できる新品種の開発につなげることを目指します。

SDGs:河川とプラスチックごみ、微生物環境の関係を解き明かす

プラスチックによる海洋汚染は全地球的な問題です。陸域から海洋に至るプラスチックごみやマイクロプ
ラスチックの流出起源や流出経路、生態系や健康への影響について、フィールドを中心としたマクロな視点とDNA 分析や培養を中心としたミクロな視点から解明しています。農業地域からのプラスチック流出に着目し、環境先進都市“亀岡”の市民を巻き込んだ汚染問題解決を図ります。

バイオ環境を実現するためのリーダーとして活躍できる
バイオ環境技術者・研究者を養成します。

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境)の実現を目指すという教育理念に基づき、博士課程前期では「生物環境科学領域」「応用生命科学領域」の研究分野科目と2分野の関連科目が複合的に履修されるように構成されています。これらにより、「バイオ環境」の視点から複眼的思考ができるバイオ環境技術者・研究者を養成します。

目指すキャリア

高度なバイオ環境技術者・研究者

  • バイオ関連企業
  • 環境関連企業
  • 食品関連企業
  • 農業関連企業
  • 公務員
  • 博士課程後期進学

中・高等学校教育の担い手

  • 中学校教諭(専修免許状・理科)
  • 高等学校教諭(専修免許状・理科)

[博士課程後期(3年)]

バイオ環境を実現するためのリーダーとして活躍できる
より高度なバイオ環境研究者・技術者を養成します。

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境)の実現を目指すという教育理念に基づき、博士課程後期では複眼的研究をさらに研究を深化・高度化させ、「バイオ環境」の新しい研究領域を開拓できる、企業の研究所やベンチャー企業でも、即戦力として先端的な研究や技術開発に取り組める、より高度なバイオ環境研究者・技術者を養成します。

目指すキャリア

より高度なバイオ研究者・環境技術者

  • バイオ関連企業
  • 環境関連企業
  • 食品関係企業
  • 農業関連企業
  • 公務員

社会人の受入

博士課程後期には社会人も受け入れます。ここでの社会人とは、博士課程前期(修士課程)修了者あるいはそれと同等の学力を有する者で、勤務先(所属事業所や企業の長)から同意を得ている者をいいます。社会人としての専業と両立できるように、週末や休暇期間を使った指導を行い、また、日常的には電子メールなどを活用した指導を行います。社会人の経歴を勘案して、試験の一部を免除することがあります。

カリキュラム

博士課程前期

*年度により開講科目が変更されることがあります。

研究分野関連科目

演習科目

  • 博士課程前期特別演習 I~IV

特別研究

  • 博士課程前期特別研究

科学プレゼンテーション

演習科目

  • 科学プレゼンテーション演習Ⅰ~Ⅱ

専門基礎科目

  • 分子生命科学特論
  • 生物機能開発特論
  • 環境再生特論
  • 生物資源特論
  • 農業生産特論
  • 食品科学特論

関連科目

  • 生命科学最先端技術特論
  • 環境デザイン最先端技術特論
  • 食資源開発最先端技術特論
  • インターンシップA、B

博士課程後期

  • 博士課程後期特別演習Ⅰ~Ⅵ
  • 博士課程後期特別研究

*系統的なカリキュラムを特に設定せず、「特別演習」と「特別研究」を単位化することにとどめ、各自の研究に専念していただきます。

*年度により開講科目が変更されることがあります。


教育ポリシー

教育目的

バイオ環境研究科は、人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境)を作り上げることを目標とし、生物環境科学と応用生命科学を連携させ、環境/農業/生命/食についての総合的な「バイオ環境学」を身につけた広い視野を持つ人材を養成することを目的とする。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

博士課程前期

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、所定の単位を修得し、それぞれの研究分野で新しい知見を得、修士論文としてまとめ、高度な専門的職業人として活躍できる研究能力と実務能力を修得した者に学位を授与する。

博士課程後期

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、複眼的な研究を進め、「バイオ環境」の新しい研究領域を開拓できる知見や技術を見出し、それらを博士論文としてまとめ、大学や企業などで研究や技術開発に取り組める者に博士の学位を授与する。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

博士課程前期

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境)の実現を目指すという教育理念に基づき、博士課程前期では学部の学びをベースとしたそれぞれの専門研究分野を中心に、他分野とも広く連携することで、専門分野を深めつつ「バイオ環境」の視点から複眼的思考が出来る技術者・研究者を育成する。

博士課程後期

生物環境科学と応用生命科学を連携させ、人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境)の実現を目指すという教育理念に基づき、博士課程後期では複眼的研究をさらに進めて、生物環境研究と応用生命研究を深化・高度化させ、「バイオ環境」の新しい研究領域を開拓できる、より高度なバイオ環境研究者・技術者を育成する。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

博士課程前期

  1. 自然環境と科学の関わりや、農業のあり方に興味をもち、持続可能な地球環境と地域社会を構築していくための研究や産業に意欲をもって携わりたい者。
  2. 最先端の生命科学、バイオ技術に強い関心を持ち、生命の成り立ちの解明、人類の健康や豊かな食のための研究や産業に意欲をもって携わりたい者。

博士課程後期

生物環境科学研究と応用生命科学研究のより積極的な連携や複眼的研究をさらに進めて、「バイオ環境」というコンセプトでの新しい研究領域の模索をおこない、新しい環境・生命技術の創成をおこなおうとする者。

学位論文審査基準

学位論文( 修士論文 )

公聴会

  1. 論文が提出された場合は、公聴会( 公開 )を開催する。公聴会の開催時期は、1 月提出者は2 月中旬、7 月提出者は8 月中旬とする。
  2. 論文提出者は、公聴会において、その論文内容を口頭で発表する。
  3. 研究科委員会において、論文毎に論文調査委員( 主査1 名、副査2 名以上 )を選出し、審査委員会を組織する。
  4. 研究科委員会において、論文毎に諮問委員(2 名)を選出する。
  5. 論文調査委員と諮問委員は、公聴会において、論文内容について質疑応答を含む口頭諮問を行う。

学位論文の合否判定(評価基準)

  1. 学位論文は、研究科委員会(1 月提出論文は2 月末、7 月提出論文は9 月初旬)において合否判定が行われる。
  2. 審査委員会の論文審査結果並びに公聴会における口頭試問結果に基づき、研究科委員会において、論文調査委員(主査)が審査結果を報告し、研究科委員会出席者の3 分の2 以上の同意をもって学位論文の合否を判定する。
  3. 学位論文の評価基準は次のとおりとする。審査委員会は審査委員の合議により評価する。
    • 得られた成果は、本研究科の教育研究目標である「バイオ環境」の実現に合致しているか。
    • 独創性のある知見が得られているか。
    • 論文の体裁や構成が整っているか。
    • 研究テーマの設定と論理展開、分析方法(実験、調査)が適切であるか。
  4. 博士前期課程の修了に必要な単位( 計34 単位以上 )を取得し、学位論文(修士論文)の審査に合格した者に学位「修士(バイオ環境)」が授与される。

学位論文( 博士論文 )

公聴会

  1. 論文が提出された場合は、公聴会( 公開 )を開催する。公聴会の開催時期は、1 月提出者は2 月中旬、7 月提出者は8 月中旬とする。
  2. 論文提出者は、公聴会において、その論文内容を口頭で発表する。
  3. 研究科委員会において、論文毎に論文調査委員(主査1 名、副査2 名以上)を選出し、審査委員会を組織する。
  4. 研究科委員会において、論文毎に諮問委員(2 名)を選出する。
  5. 論文調査委員と諮問委員は、公聴会において、論文内容について質疑応答を含む口頭諮問を行う。

学位論文の合否判定(評価基準)

  1. 学位論文は、研究科委員会(1 月提出論文は2 月末、7 月提出論文は9 月初旬)において合否判定が行われる。
  2. 審査委員会の論文審査結果並びに公聴会における口頭試問結果に基づき、研究科委員会において、論文調査委員(主査)が審査結果を報告し、研究科委員会出席者の3 分の2 以上の同意をもって学位論文の合否を判定する。
  3. 学位論文の評価基準は次のとおりとする。審査委員会は審査委員の合議により評価する。
    • 得られた成果は、本研究科の教育研究目標である「バイオ環境」の実現に合致しているか。
    • 独創性のある知見が得られているか。
    • 得られた成果は公表されているか。
    • 研究テーマの設定と論理展開、分析方法(実験、調査)が適切であるか。
  4. 博士後期課程の修了に必要な単位( 計24 単位 )を取得し、学位論文(博士論文)の審査に合格した者に学位「博士(バイオ環境)」が授与される。