大学概要

価値観の多様化が進む中、人の生き方や社会システム、文化の機能などを再評価する研究が求められています。「文化研究」「社会情報」「心理学」の3つの領域を組み合わせて学び、現代の課題にアプローチします。(公財)日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院に認定されており、臨床心理学コースでは「臨床心理士」と「公認心理師」の両方の受験資格が取得できます。また、文化研究コースと社会情報コースでは中学校教諭(社会)の専修免許が、加えて文化研究コースでは高等学校教諭(地理歴史)の専修免許が取得できます。

研究科長メッセージ

人間文化研究科長 佐藤 嘉倫

人間文化研究科で1つのことを突き詰めて、突き抜けた研究をしよう!

皆さんはなぜ大学院に行きたいと思っているのですか?もちろん「研究」するためですね。それでは「研究」とは何でしょうか?大学生の頃に気づいていたと思いますが、高校までの「勉強」は答えのある問題をできるだけ効率的に解くことでした。大学入試に合格するためにはかなりの時間「勉強」をしなければなりません。このような高校までの「勉強」とは違って、大学や大学院での「研究」は、まず自分で問題を見つけることから始まります。そしてその問題の答えをいろいろな方法で見つけようとします。もしかしたら、そもそも答えがないかもしれません。しかしその問題を考え抜くプロセスが大切です。その問題を突き詰めて考え続けることで、気がついたら突き抜けた研究をしています。人間文化研究科はそういう1 つのことを突き詰めて研究しようと思っている人を歓迎します。一緒に突き抜けましょう!

研究内容や教育内容

心理学コース

能力の限界を超えて —— 原田佑規 准教授

技術を用いることで人の能力を高めることを「人間拡張」と言います。例えば,眼鏡をかけることで視力を高めるのも人間拡張です。人間拡張は,リハビリ,スポーツ,教育などさまざまな分野で注目されており,今後の成長分野の1つであると予測されています。そこで,VRなどのサイバー技術と心理学実験を組み合わせることで,知覚・認知・運動の能力を高めるための基盤研究を行っています。

臨床心理学コース

「こころの問題で苦しむ人をどう支える?」を研究する —— 小山智朗 教授

こころの問題で苦しむ人たちに、どのように関われば良いのでしょうか?私は、単に問題を取り去るだけではなく、その苦しい体験が心の成長の機会となるために、心理療法家としてどのように関われば良いのかを研究しています。

社会情報コース

メディアが他者同士の共感をつくるプロセスを解明 —— 君塚洋一 教授

映像や音楽などの作品にふれると、他人がつくったものなのに自分自身のそれと思える心情が表現されていて共感に至ることがあります。作品や広告などのメディアを通じた主観的経験によって未知の他者同士の感情が共有され、個人史に残る経験やアーティストとオーディエンスの一体感がつくられるプロセスを作品表現や社会史の分析により研究しています。

文化研究コース

過去の人びとの心の歴史を科学的に解明する —— 佐藤文子 教授

京都には多くのお寺や神社があり、毎日たくさんの観光客が訪れています。そこに残された建物や古文書、くり返されてきた祭りや作法は、人間の精神の歴史です。大学院では、専門的技術を駆使してそれらの歴史資料を観察分析し、現代人とは異なる過去の人びとの歴史を解明し、グローバルな視野から日本文化の古層についての理解を深めていきます。

研究科コンセプト

文化・社会・人間の心を複眼的に追究。高度な専門職業人の養成をめざします。

人々の価値観が揺らぎ、人間関係を形成する社会システムも人間の心の中も、従来の価値体系では解決策を見いだせない現代。人間の生き方、社会システムの在り方、文化の機能を多角的に解明する学問の構築が求められています。人間文化研究科は、「文化研究」「社会情報」「心理学」の3つの教育研究領域を有機的に連関させ、高度な専門職業人の養成を追究。臨床心理学コースは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院で、国家資格である「公認心理師」の受験資格も取得することができます。また、文化研究コースと社会情報コースでは中学校教諭(社会)の専修免許が、加えて文化研究コースでは高等学校教諭(地理歴史)の専修免許が取得できます。

文化研究領域

「文化研究コース」では、日本とアジアを中心とした文化遺産と文化的伝統、人々の生活の中で作用している文化の機能の諸相と特質を、文化、地理、歴史、思想、言語、文学等の側面から探究する。

社会情報領域

「社会情報コース」では、各種メディアにおいて情報技術が発達するとともに大きく変動しつつある現代社会と文化の動向を探り、そこに生じる新たな社会的諸問題を理論的・実践的に研究する。

心理学領域

家庭・学校・地域社会などにおける実際的課題を発見し解決する人材を育成する「心理学コース」と、心の健康に関わる援助者としての心構えと知識、そして技能を備えた専門家を育成する「臨床心理学コース」の2つがある。人間の心の機能とその形成過程を解明する。

臨床心理学コース 対人援助のエキスパートへ高度な知識とスキルを養成

人間文化研究科の臨床心理学コースは、「臨床心理士」と「公認心理師」の両方の受験資格が取得できるように、カリキュラムが編成されています。また、これらの資格取得後に医療・教育・福祉など幅広い分野で活躍できるよう、実践的な力を身につけることも目指します。心理面接・心理検査についての高度な専門知識・技術だけでなく、心理的援助の専門家としての考え方・姿勢・心構えを学びます。

目指すキャリア

中・高等学校教育の担い手

  • 中学校教諭(専修免許状/社会)
    ※文化研究・社会情報のみ
  • 高等学校教諭(専修免許状/地理歴史)
    ※文化研究のみ

人々の精神的健康の担い手

  • 臨床心理士
    ※臨床心理学コースのみ
  • 公認心理師
    ※臨床心理学コースのみ

カリキュラム

日本・アジアの文化と歴史を中心に研究する「文化研究コース」、現代の社会問題や情報メディアを研究する「社会情報コース」、認知・学習・発達・社会など心理学の各分野を研究する「心理学コース」、臨床心理士や公認心理師の受験資格の取得をめざす「臨床心理学コース」(日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院)の4コースを設定。多様な領域の研究者が本科を構成し、複眼的な研究ができる環境を作っています。

※年度により開講科目が変更されることがあります。

文化研究コース

  • 人間文化基礎特論
  • 日本歴史文化特論
  • 日本言語文化特論
  • 日本古典文学特論
  • 文化人類学特論
  • 民俗学特論

演習科目

日本歴史文化研究演習 / 日本言語文化研究演習 / 日本古典文学研究演習 / 文化人類学研究演習

その他選択科目多数


社会情報コース

  • 人間文化基礎特論
  • 社会学特論-1
  • 社会学特論-2
  • 社会学特論-3
  • 社会学特論-4
  • メディア学特論-1
  • メディア学特論-2
  • 学際研究特論

演習科目

社会学研究演習-1/社会学研究演習-2/メディア学研究演習

その他選択科目多数


心理学コース

  • 人間文化基礎特論
  • 心理学研究法特論
  • 認知心理学特論
  • 発達心理学特論
    (福祉分野に関する理論と支援の展開)
  • 社会心理学特論
  • 集団心理学特論
  • 障害児心理学特論
    (福祉分野に関する理論と支援の展開)
  • 実験心理学特論
  • 計量心理学特論
  • 産業・労働分野に関する理論と支援の展開

演習科目

心理学研究演習

その他選択科目多数


臨床心理学コース

  • 人間文化基礎特論
  • 臨床心理学特論
  • 臨床心理面接特論
    (心理支援に関する理論と実践)
  • 臨床心理基礎実習
  • 臨床心理実習
    (心理実践実習)
  • 心理学研究法特論
  • 認知心理学特論
  • 発達心理学特論
    (福祉分野に関する理論と支援の展開)
  • 社会心理学特論
  • 障害児心理学特論
    (福祉分野に関する理論と支援の展開)
  • 精神医学特論
    (保健医療分野に関する理論と支援の展開)
  • 心理療法特論
  • 臨床心理関連行政論
  • 心身医学特論
  • 臨床心理学研究法特論
  • コミュニティ・アプローチ特論
    (家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)
  • 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
  • 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
  • 心の健康教育に関する理論と実践

演習科目

臨床心理査定演習(心理的アセスメントに関する理論と実践)/ 臨床心理学研究演習

その他選択科目多数


教育ポリシー

教育目的

人間文化研究科は、人間の心理、社会の態様、文化の機能を多角的に解明する学問体系の構築を図り、歴史的な視点を踏まえて、現代社会が抱える諸問題の解決に寄与できる人材を育成することを目的とする。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

所定の単位を修得し、修士論文の審査に合格した、次のような素養や能力を身につけた者に修士の学位を授与する。

文化研究コースでは、日本の文化研究の地理・思想・歴史・言語・文学の各研究分野において、高度な専門的知識を習得するとともに、その知識を自主的な研究を通じて応用し、社会に活かす能力を身につけている者に修士(文化研究)の学位を授与する。

社会情報コースでは、各種メディアによる情報伝達技術の理論的特質を把握し、現代社会と文化の動向への深い洞察をもち、そこに生じうる社会的諸問題に関して理論的かつ実践的に解決する方法を身につけている者に修士(社会情報)の学位を授与する。

心理学コースでは、心理学分野における専門知識、研究法、及び統計解析を修得し、高度な専門的職業人としての実務能力や研究能力を身につけている者に、修士(心理学)の学位を授与する。

臨床心理学コースでは、臨床心理学の分野で高度な専門的職業人としての実務能力や研究能力を身につけている者に修士(心理学)の学位を授与する。修了した場合、財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う臨床心理士受験資格が得られる。

また、学部も併せて必要な科目を修めた者は、国家資格である公認心理師受験資格が得られる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

人間文化研究科修士課程の教育課程は、次の諸点を重点に編成している。

文化研究コースでは、日本の文化の特質を地理、思想、歴史、言語、文学等の側面から学修・研究できること、日本文化を海外に発信できることに重点を置いてカリキュラムを編成している。

社会情報コースでは、各種メディアによる情報伝達技術の基礎から応用に至る知識をもち、現代の社会と文化に関する幅広い認識を得て、そこに生じうる社会的諸問題に関して理論的かつ実践的に解決する方法を学べるようカリキュラムを編成している。

心理学コースでは、心理学分野における専門知識、研究法、及び統計解析を修得する。その結果を社会に還元する実践的能力が育成されるようカリキュラムを編成している。

臨床心理学コースは、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から第1種指定を受けた臨床心理士養成大学院である。臨床実践においてきめ細やかな訓練を行い、臨床現場で対応できる能力の育成に力をいれてカリキュラムを編成している。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

本研究科は、本研究科修士課程の履修に必要とされる基礎的な能力を有し、なおかつ次のような資質を備えた人を求める。

文化研究コースでは、日本の文化遺産と文化的伝統、人々の生活の中で作用している文化の態様とその特質を地理、思想、歴史、言語、文学等の側面から教育研究したい者。

社会情報コースでは、各種メディアによる情報伝達技術に関心を持ち、現代の社会と文化に関する幅広い興味を有し、そこに生じうる社会的諸問題の解決に寄与する能力を身につけたいと考えている者。

心理学コースでは、人間として基本的な心理と行動を対象として教育研究したい者。

臨床心理学コースでは、人間の心に関する深い理解を基礎にして、臨床心理学を専門的に修得し、心の健康に関わる援助者としての心構えと知識・技能を兼ね備えた心の専門家を目指す者。

学位論文審査基準

学位論文の審査

  1. 提出された論文は、学位論文審査委員会で審査する。
  2. 学位論文審査委員会は、主査1 名、副査2 名の計3 名とし、研究科委員会において選出する。副査のうち1 名は、原則として指導委員から選ぶ。

学位論文口述試験

  1. 本学学位規程第8 条の「最終試験」として、口述試験を行う。
  2. 口述試験は、コースごとに定めた課程修了に必要な単位を取得(取得見込を含む)し、かつ学位論文を提出したものに対して行う。
  3. 口述試験は、上記の学位論文審査委員会が、提出された学位論文について行う。

合否判定

  1. 論文審査結果および口述試験結果に基づいて研究科委員会で審議し、合否を判定する。なお論文審査は、次の通りコースが定める各項目をA・B・C・D の4 段階で評価し、これらの評価を踏まえて総合的に判断する。
    • 文化研究コース・心理学コース
      • 研究計画に独創性があり、有意義な研究である。
      • 研究目的に対する適切な研究方法である。
      • 結果の分析が適切である。
      • 研究目的に即した適切な考察である。
      • 引用文献の記載が適切である。
    • 社会情報コース
      • 形式の妥当性:修士論文としての形式上の諸要件を満たしているかどうか。文献、データ、資料の掲示の方法、書式は適切か、など。
      • 客観性:論述は客観的であるかどうか。先行研究をふまえているか、既存見解と独自見解は区別されているか、データや資料を客観的に扱っているか。
      • 論理的:論述に論理一貫性があるか。論理の展開は妥当で一貫的か、論理的な構成になっているか、適切な理論的考察がなされているか、など。
      • 独自性:専門的見地からみて意義のある独自性を含んでいるかどうか。
    • 臨床心理学コース
      • 先行研究の展望とその中での当該研究の位置づけが適切である。
      • 研究目的に即した適切な研究方法である。
      • 結果の分析が適切である。
      • 論理の展開が適切である。
      • 独創的な研究内容である。
      • 臨床実践の視点に立った有意義な研究である。
  2. 課程修了に必要な単位を取得し、かつ学位審査に合格した者には、学位記が授与される。