デジタルと社会とかかわる/つながる歴史文化学科。

京都は世界最大の国際観光都市です。また、日本屈指の歴史文化都市であり、現代に至るまで日本文化の中枢を担っています。 この京都にある歴史文化学科では、歴史文化力、英語力、デジタル力という3 つの力を備えた人材を育成することを目指しています。京都の歴史、文化を専門的に語りデジタル技術を使いこなし英語でも自らの知識を説明できる、そのような人材になってほしいと思っています。

Point
学びのポイント

源氏物語テキストアナリティクス・センター

2022年4月に源氏物語をデジタルテキスト化し分析する源氏物語テキストアナリティクス・センターを立ち上げました。デジタル化によるデータから歴史と文化を、その時代の人間や社会の姿をより鮮明に見ていきます。だから他にはない気づきや面白さ、今までにない発見が生まれていきます。現実のフィールドワークをデジタルに重ねる歴史と文化の面白さに先駆けて挑んでいきます。

多様な選択科目で「好き」を追求
複数の指導教員がサポート

歴史文化学科は大きく変わります。学生の皆さんが自分の好きなことを追求できるように受講科目を選択できます。いくつかの標準的な科目の組み合わせ(メニュー)はありますが、皆さんは複数の指導教員と相談して自分のメニューを作ります。 中世の頃の京都に興味があれば、日本中世史や京都文化学などの授業でメニューを作れます。観光業界で働くことを目指しているならば、観光学だけでなく歴史学や日本美術史など多様な科目でメニューを作れます。妖怪が好きだったら、妖怪文化論や民俗学などの授業でメニューを作れます。自分の「好き」を追求するために自分で作ったメニューで勉強するなんて何だか ワクワクしませんか?

専門力に加えて英語力とデジタル力も強化

専門力を高めた学生は、さらに英語力とデジタル力を身につけていきます。本学は英語教育に力を入れていて、英語が苦手な学生に対するサポート体制も万全です。本学科の学生も十分な英語教育リソースやサポート体制を活用して英語力を伸ばしていきます。 そして歴史文化学科は、絵画や古典文学をデジタル化してコンピュータで解析するデジタル人文学に力を注いでいます。このため入門講義「デジタル人文学入門」を学科2年生全員の必修としています。

現代社会につながる歴史文化の学び

近代までの歴史文化・京都文化の基礎と専門的知識を学ぶと同時に、現代における文化の作られ方、社会や文化を支えて行く活動のあり方を調査・企画する科目群の履修が可能になり、本学科の学びを現代に活かす能力を身につけることができます。

観光業界で活躍する人材を育てる
先端ツーリズムコース

例えば、持続可能なツーリズム(観光学)に関心のある皆さんには先端ツーリズムコースが用意されています。このコースについては別のコラムで詳しく説明しますが、専門力、英語力、デジタル力、そしてツーリズムの素養を備えた皆さんは新たな観光ビジネスを考案し、起業を目指すこともできるでしょうし、観光業界、官公庁はもちろん多様な職場でも求められる人材となります。

Curriculum
授業ピックアップ

歴史文化学地域探究演習

フィールドワークで
京都の地域・名所を調査

この授業では、京都の地域や名所旧跡について、学生の担当テーマを決め、チームを組んで徹底的に調査をします。実際に現地を訪れ、学術論文や数百年前の史料を読み解き、聞き取りを実施して、深く掘り下げて分かりやすく解説できるようになることを目指します。観光するだけでは分からないディープな京都を発掘しましょう。

デジタル人文学演習

歴史文化の学びを
デジタルトランスフォーメーション

デジタル人文学は、歴史資料をデジタル化することから始まります。まず、歴史資料をデジタル化することによって、研究材料を格段に 増やし、誰もが扱えるようにします。そして、伝統的な歴史文化の学びと組み合わせ、デジタル化された歴史資料と向き合い、分析し、歴史的事実をえぐり出していきます。歴史資料をデジタル化すれば、他者との共有も容易になり、世界中の人々と知識を共創することも可能になるでしょう。さらに、デジタル化した歴史資料からテキストデータなどの新たなデータを生み出し、高度な分析に活用することもできます。歴史資料をデジタル化し、普及させ、活用し、未来に継承する。本学のデジタル人文学では、その一連の手法を学ぶことができます。

カリキュラム

大学共通コア科目

基礎学力・技能

コミュニケーション力・リーダーシップ・協調性

未来展望力

英語・異文化理解

社会人として必要な日本語リテラシー、数的処理(統計含む)、IT技能について学びます。

グループワークや身体活動を通じて、コミュニケーションなどのスキルについて学びます。

現代社会の諸問題をテーマごとに学際的に学びながら、未来を展望します。

グローバルな社会で必要な外国語でのコミュニケーションや異文化理解について学びます。

※2025年度(予定)カリキュラムの一部を抜粋して掲載しています

KUAS Voice
教員・学生・卒業生の思い

Career
資格・進学・就職

目標とする資格

高等学校教諭一種免許状(地理歴史)
高等学校教諭一種免許状(公民)※1
中学校教諭一種免許状(社会)
小学校教諭一種免許状※2
博物館学芸員(国家資格)

※1 課程認定申請中(ただし、文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期等が変更となる可能性があります。)
※2 小学校一種は、中学校の教員免許を取得し、かつ他大学との協定による通信教育プログラムを受講する必要があります。

卒業後の進路

主な就職先

東京大学大学院、立命館大学大学院、龍谷大学大学院、京都外国語大学大学院、京都先端科学大学大学院、東海大学大学院、追手門学院大学大学院、京都文教大学大学院

大和ハウス工業株式会社

日本電気硝子株式会社、株式会社資生堂、株式会社井筒八ツ橋本舗、株式会社鼓月

株式会社KYOSO、医療システムズ株式会社、株式会社モバイルコミュニケーションズ、株式会社コスモネット

大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ)、ヤマト運輸株式会社、佐川急便株式会社

ファイテン株式会社、株式会社ローソン、株式会社ライフコーポレーション、株式会社LIXILビバ、株式会社ナフコ、株式会社コスモス薬品、日清医療食品株式会社、株式会社京阪百貨店、株式会社マツモト、ゼビオホールディングス株式会社、株式会社増田医科器械

株式会社京都銀行、SMBC日興証券株式会社、JPアセット証券株式会社

株式会社アーネストワン、株式会社長栄、株式会社エリッツホールディングス、株式会社京都ライフ、式会社ジェイ・エス・ビー、株式会社ハウスドゥ

株式会社高知新聞企業、株式会社エヌリンクス

藤田観光株式会社、株式会社バルニバービ、ANAクラウンプラザホテル京都、株式会社星野リゾート、株式会社くらコーポレーション、株式会社グルメ杵屋

株式会社スクールパートナー、株式会社ミス・パリ、株式会社西洋舎

京都市教育委員会、株式会社ウィルウェイ(馬渕教育グループ)

医療法人清仁会 シミズ病院グループ、株式会社近畿予防医学研究所、SOMPOケアメッセージ株式会社

福井県民生活協同組合(県民せいきょう)、京都農業協同組合(JA京都)、大学生協関西北陸事業連合

社団法人京都微生物研究所、JALスカイエアポート沖縄株式会社、綜合警備保障株式会社、セントラル警備保障株式会社、アデコ株式会社、株式会社エイジェック、フジアルテ株式会社

京都府警察本部、自衛隊、菊川市役所

Policy
教育ポリシー

教育目的

歴史学及び周辺分野の基礎的知識と調査研究技能を十分に体得し、それを実社会において問題解決に活用できる人材を育成する。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

1.知識・理解

1. 歴史文化に対する専門的知識と研究方法を修得し、現代社会における諸問題解決するために活用できる。
2. 豊かな人間性と幅広い教養を身に付け、グローバル社会に適応できる。

2.技能

1. 優れた文章読解能力を身に付け、自らの思考を口頭および文章で他者に伝えることができる。
2. 発表や聞きとり調査の経験などを活用して、他者と適切にコミュニケーションをとり、互いの理解を深めること

3.思考・判断・表現

1. 歴史文化に関する専門的学修を通じて獲得した知識・思考方法で、社会における問題を発見し、必要な情報を収集・分析し、対処することができる。
2. 自ら設定した主題について、文献調査やフィールドワークなどを通して収集した資料を、客観的に分析しながら、批判的に考察できる。

4.関心・意欲・態度

1. 現代社会やその歴史文化に対する関心を強く持ち、さまざまな問題の解決に能動的に取り組むことができる。
2. 現状の課題に対して、協働して取り組み、集団のなかで自分の役割を果たすことができる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

1.教育課程編成

1. 学科の学修を活かした進路に進むため、歴史文化を多様な視点から学ぶことを目的として、歴史探究、民俗探究、京都文化探究の3つのプログラムを設置します。
2. 専門的知見に基づく主体的な行動力および問題解決力を育成するために、学科専門科目には、基礎的事項を学ぶ基礎科目、より高度な内容を学ぶ展開科目を設けます。
3. 教職・学芸員という専門職の資格を取得するための課程を設置します。

2.学修方法・学修過程

(学修方法)

4年間の学修課程では、教員が学生に寄り添って行う指導の下で、教養科目や専門科目を理論的に学修するだけでなく、体験学修およびキャリア学修も連動させながら実践的かつ能動的に学修します。

(学修過程)

1.講義形式科目で各分野の知識を学び、実験や実習形式科目で実践的な経験を積み、演習形式科目で情報伝達能力を高めます。
2.1年次秋から2年次春にかけて学ぶ必修の授業で、各プログラムの基礎的な知識を横断的に学び、また2回生春から各プログラムが提供する基礎ゼミを複数学ぶことで、複眼的な視点を涵養しながら、プログラム選択を行います。
3.2年次に学ぶ基礎ゼミにおいて、各分野の論文や資料読解の基礎力を高め、3年次・4年次に学ぶ少人数の専門ゼミにおいて、きめ細やかな指導を受けながら、一定水準以上の卒業論文を作成します。
4.演習などにおける集団作業を通じて、集団のなかで自分の役割を果たすことができる協働力を涵養します。
5.大学での学びの意義づけも重視して、卒業後の人生を見据えたキャリア教育を学修します。

(学修成果)

歴史文化学科では、専門的知見に基づく主体的な行動力および問題解決力の修得を目的として、両学科で設置されるプログラムの下で段階的に学修しながら卒業論文を作成します。

3.学修成果の評価

1. 学修成果は、ディプロマ・ポリシーで定められた能力と、カリキュラムの各科目で設定される到達目標の達成度を示すものであり、アセスメント・ポリシーに従って多様な方法で学修成果を評価します。
2. 各科目の内容、到達目標、および評価方法・基準はシラバスに示され、到達目標の達成度が評価されます。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

本学科の教育目的に示した人材を育成するために、明確な目的意識と情熱を持ち、高等学校で履修した教科・科目について、基礎的な知識を有し、自分の考えを伝えられる日本語力、さまざまな課題に積極的に挑戦しようとする意欲、活動に積極的に取り組む姿勢、コミュニケーションを効果的に図り、相互理解に努めようとする態度を有する人を求めます。

  1. 知識・技能
    ・高等学校で履修する国語、英語、地理歴史などについての基礎的な知識を持つ。
  2. 思考力・判断力・表現力
    ・歴史文化について考え判断する能力があり、自分の考えを表現できる。
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
    ・歴史文化に強い興味・関心があり、未知のことを主体的に探究する強い意欲を持つ。
    ・発表やフィールドワークなどを、多様な人々と協働して取り組める。