ドイツにあるマインツ大学に交換留学している経済経営学部経営学科2年生の大垣英士さんのレポートを紹介します!
1月
ベルリンの風情とハリボーの甘美なひととき
【寮生活スタート!国際交流とドイツ文化】
あけましておめでとうございます。
2025年をドイツで迎えることができました。日本での成人式の様子をSNSで拝見すると、少し懐かしさを覚えますが、ドイツならではの体験を重ねる毎日がまた格別です。
1月上旬、ベルリンへ足を運びました。かつて東西に分断されていた歴史を持つこの街では、今もなおその名残を感じさせるスポットが点在しています。ベルリンの壁跡を訪れながら、再統一の奇跡と多様な文化が共存する雰囲気に心を打たれました。気温は-1℃と比較的温和ながら、雪と暴風の影響で体感温度は低く、寒さに苦しむ場面もありましたので、皆さまには体調管理に十分お気をつけいただきたいと思います。ちなみに、ドイツでの風邪薬は「ハーブティ(紅茶のようなもの)」なので少し違和感があります。ですが、これがかなり効きます。


1月中旬に入り、2月上旬から始まる長い試験期間に備えて、図書館での勉強が中心となりました。ドイツの学生たちは【図書館愛】一年中、図書館で集中して学ぶ姿が印象的で、学習に対する真剣さを感じました。メインの図書館に加え、経済経営学部専用の図書室や談話室のような自習スペースが整備され、まるで知識の宝庫にいるかのような感覚を味わいました。
試験勉強の合間に、気分転換を兼ねてボン(Bonn)へ出かけ、ハリボーの本拠地を訪れました。巨大なハリボーショップに魅了され、カラフルなグミが所狭しと並ぶ光景に心躍らせました。王道のゴールドベアはもちろん、珍しいフレーバーも数多く取り揃えられており、思わずお土産を手にとるほどの魅力にあふれていました。勉強の合間に、甘いお菓子で癒される時間は、留学生活ならではの贅沢なひとときでした。


1月はベルリンでの歴史体験や学業に励む時間、そしてボンでの甘い発見と、さまざまな刺激に溢れた月となりました。2月下旬からはさらに多くの旅行計画が進んでおり、ヨーロッパ各国への新たな旅路を楽しみにしております。
それでは、皆さまどうぞ素晴らしい新年をお迎えください。2025年もよろしくお願いいたします。
12月
怪我と癒し、そして年越しの花火?!
先月から始めたバスケットボールで、まさかの怪我を負い緊急外来に運ばれることになりました。留学中に病院に行くとは思っておらず、完全にパニック状態。しかし、現地のドイツ人の友達が通訳などで助けてくれたおかげで、無事に対応してもらうことができました。治療費は大学が負担してくれました。これは、学内のクラブ活動中に起きた怪我であり、ドイツの法律ではこうした活動や通勤中、退勤中に起きた事故の費用はその組織(大学や会社)が負担する仕組みがあるからだそうです。日本とは異なる仕組みに驚きつつも、この制度があるおかげで安心して治療を受けることができました。怪我の内容は全治7週間の重度の捻挫。12月上・中旬は歩くのも困難で、大学への通学も苦労しましたが、クラスメイトやルームメイトが買い物を代わりにしてくれるなど、支えてくれたおかげで日常生活にはそこまで困らずに過ごすことができました。彼らの優しさに感謝です。
さて、12月のドイツといえば、やはりクリスマスマーケット!中旬頃から準備が進み、屋台や観覧車、輝くオーナメントが街を彩り、本場のクリスマスの雰囲気を存分に味わうことができました。中でもグリューワインは別格でした!初めて飲んだホットワインは、甘くてほのかにスパイスが効いていて、寒さを忘れさせてくれる一杯でした。まるでジュースのようにゴクゴク飲める飲みやすさがありました。また、チョコレートの濃厚な飲み物『ホットチョコレート』も忘れられません。ココアとは異なり、まるで溶けたチョコレートそのものを飲んでいるような贅沢な味わいでした。そして、最も印象的だったのはクリスマスイブの「マインツ大聖堂」で行われたクリスマスミサ。荘厳な大聖堂に人々が集い、聖書の詠唱や子供たちの聖歌隊の美しい歌声が響く様子は、心に深く刻まれる体験でした。
12月は怪我の影響で自分と向き合う時間が多く、家にこもる日が続きました。その間、ピザを頼んだり、ドイツ留学に必須とされる閉鎖口座を開設する手続きに追われたりと、慌ただしい中にも学びがありました。月末になるとヨーロッパ出身の友人たちは母国に帰り、家族とともにクリスマスを祝うのが通例のようで、学内には日本や韓国などアジア圏の留学生が多く残っている印象でした。


そして迎えた年末、ドイツでは年越しに花火を上げるのが大きな伝統だそうですが、驚いたのは個人が自由に購入して打ち上げるという点!友人たちとライン川付近に花火を見に行きましたが、その場で花火に巻き込まれ、友人の服が焦げるというハプニングもありました。安全面が心配になる部分もありましたが、それでも無事に年を越し、2025年を迎えることができました。
12月は困難も多かったものの、支えてくれる人たちの存在や新しい体験が自分をさらに成長させてくれた月でした。今年も目標に向かって一歩ずつ進んでいきたいと思います。皆さん、あけましておめでとうございます!



11月
やっと学生寮へ!そして冬学期本格スタート
【寮生活スタート!国際交流とドイツ文化】
11月、ついに学生寮「インターⅡ」への引っ越しが完了しました!この寮はキッチンやトイレを8人でシェアしながら、個室があるルームシェア形式。住人の国籍も多様で、留学生だけでなく現地ドイツ人や大学院生もいるため、キッチンや共同スペースでの交流が日常的に行われます。
それにしても、この寮に入るまでの道のりは長かった…。後から知ったのですが、他の日本人留学生は半年前から予約していたとか!笑 出遅れ感は否めませんが、なんとか滑り込めて一安心。それでも、ここからが本番です。住民登録や閉鎖口座の手続きといった「ドイツ留学特有の試練」がまだまだ残っています。気を引き締めて頑張ります!
11月に入り、ヨハネス・グーテンベルク大学(JGU)の冬学期が本格的にスタートしました!JGUは、経済経営、法律、外国語、写真、音楽など多彩な学部が集う、マインツの名門大学。経済経営学部は留学生向けの講義も多いものの、どれもハイレベルです。特に英語で行われる講義は専門用語が多く、初回の授業でいきなり頭がパンク寸前!私が履修したのは、週5コマの講義。その中には初級ドイツ語の授業も含まれていますが、他の科目は英語での経済学や経営学がメイン。正直、専門用語はちんぷんかんぷんですが、「これは慣れればいけるはず!」と信じて食らいついています。ほかの留学生もみんな苦労している様子で、授業後には「この単語ってどういう意味?」と情報交換が活発です。

留学生同士で企画した「国際交流料理イベント」に参加しました。このイベントでは、各国の学生が自国の料理を作り、みんなで楽しむというものです。特に記憶に残っているのは、イタリア人が作ってくれた濃厚なチーズリゾット!何種類ものチーズを贅沢に使っていて、深い味わいとクリーミーさに感動しました。「イタリアではこれが普通だよ」と彼は笑っていましたが、食へのこだわりを垣間見ることができました。
一方、ドイツの食文化は「カルテス・エッセン(Kaltes Essen)」という言葉に象徴されています。簡単に言えば、火を使わない冷たい料理が中心で、パン、ハム、チーズ、ピクルスなどをそのまま楽しむスタイル。素材の味を活かすシンプルな食事で、忙しい学生には向いているのかもしれませんが…正直、日本人としては「もう少しキッチンで何か作らない?」と思ってしまうことも。寮の共同キッチンがほとんど使われていないのは、そんな背景があるのかもしれません。
JGUにはスポーツクラブも豊富にあります。サッカーやバレーボールといった定番のスポーツから、柔術やタッグフットボール、さらにはビーチバレーなど、珍しい競技も多数。フィットネスやボクシングなど、運動を楽しみながら健康を維持できるクラブもあり、選択肢の多さに驚きました!
中学から続けているバスケットボールは、留学生活でも欠かせない存在です。JGUのバスケクラブに参加してみると、やはり「みんなデカい!」の一言。ドイツ人プレイヤーのフィジカルの強さや高さに驚かされましたが、雰囲気は日本の大学の男子バスケ部に似ていて、試合中はお互い声を出し合ってプレーします。試合中、ところどころ知っている単語が飛び交うので、なんとなく指示の意味は理解できます。例えば、「Schnell!(早く!)」や「Pass!(パス!)」など、バスケ特有の言葉が多く、自然と覚えられるのが嬉しいポイント。自分も知っている単語を駆使してコミュニケーションを取り、徐々にチームに馴染むことができました。スポーツは国境を越える、ということを改めて感じる素晴らしい経験でした。月末には何人か友達もでき、一緒に練習後のカフェで談笑することも増えました。ドイツ語がほとんど話せなくても、「バスケを通じたチームワーク」という共通言語があるおかげで交流の幅が広がっている気がします。
11月11日は日本では「ポッキー&プリッツの日」ですが、ここマインツでは「カーニバル前夜祭(Fastnachtseröffnung)」という特別な日。街の中心部では、地元の人々がパジャマや仮装をして集まり、お酒を飲みながら陽気に騒ぐ姿が印象的でした。カーニバルの正式な開始日ということで、マインツ市内全体が一気にお祭りムードに。
ただ、「前夜祭ってことは、本番はいつなんだろう?」と疑問に思い、地元の友人に聞いてみたところ、本番はなんと来年3月!「え、長くね?」と思わずツッコミましたが、マインツではこのカーニバルが一大イベントらしく、3月の本番に向けて何か月も準備を進めるのが伝統だそうです。それだけ地元の人々にとって大切なお祭りなんですね。
11月は、生活の基盤が整ったことで本格的な大学生活に踏み出せた1ヶ月でした。講義で頭を悩ませながらも、クラブ活動や寮での交流を通じて、少しずつマインツでの生活に馴染み始めています。これからも学業と交流のバランスを取りながら、成長していきたいと思います!


10月
「ホームレス寸前?!波乱のドイツ留学スタート」
ついに始まったドイツ・マインツでの留学生活。期待に胸を膨らませながらも、初めての環境に放り込まれた私は、「これ、本当にどうにかなるの?」と不安を抱えながらの日々を過ごしています。特に、最初の1ヶ月は「住む場所もなく異国でホームレスになるかもしれない!」というスリル満点のスタートでした。そんな波乱万丈の留学初月を振り返ってみます。
まずは履修登録の話から。ドイツの大学では留学生は4~8コマが標準らしいのですが、私は5コマを登録しました。中にはドイツ語初級も含まれており、「新しい言語をゼロから英語で学ぶのか!楽しみ!」と楽観的な部分と、「英語の授業ついていけるの?」という現実的な不安がせめぎ合っています。講義内容のレベルも未知数で、今は「とりあえずやってみる」という気持ちで突っ走るしかない状況です。
次に、ドイツの公共交通機関について。日本の駅でお馴染みの改札が、ドイツにはありません!!初日、フランクフルト空港からマインツまで切符を買ったものの、切符を見せろと言われることも改札で止められることもなく、そのまま電車に乗車。「あれ、これ大丈夫?無賃乗車と勘違いされない?」と不安にかられ、マインツ駅で駅員さんに相談しに行くという失態をさらしました。「そんなに真面目に心配する人いないよ」と軽く笑われ、文化の違いに軽くショックを受けた瞬間でした。
留学生活で一番のトラブルは、何といっても住む場所がなかったこと。学生寮は空きがなく、「今月は無理だけど、来月どうなるか分からない」という曖昧な回答ばかり。短期で借りたアパートも5日間のみだったため、その後どうしようかと途方に暮れていました。メールを200件以上送りまくり、共同アパート(WG)の内見にも行きましたが、理想の住居にはなかなか巡り合えず…
そんな中、救いの手を差し伸べてくれたのが、留学生イベントで出会った懐が広すぎるカナダ人「しばらくならウチ泊まっていいよ」と言ってくれた彼のおかげで、ホームレス回避に成功しました。しかも彼、ものすごく優しい。言葉が足りないほど優しい。結果的に、11月から学生寮に入居できることになり、このドタバタ劇は無事に幕を下ろしました。


Johannes Gutenberg大学は留学生向けのイベントが豊富です。ハイキングやシティツアー、ハロウィンパーティーなど盛りだくさんで、友人を作るチャンスが多いのが魅力的。留学生同士で情報交換したり、お互いに助け合いながら生活しています。日本人学生とも出会い、西から東、経済学部から美術学科まで多様な仲間が集まりました。特に異なる国の文化や考え方を知る機会は、ここでしか味わえない貴重な体験です。
しばらくし生活が落ち着くと、ドイツらしい体験にも挑戦しました。オランダやベルギーへ旅行し、ベルギーの街並みの美しさに感動。地元マインツのプロサッカーチームの試合では、スタジアムの熱気に圧倒されました。そして何より、オクトーバーフェスト!巨大なビールジョッキを片手に乾杯する光景は、これぞドイツという感じで、存分に満喫しました。



最初の1ヶ月は本当に波乱だらけでしたが、人の優しさに助けられ、新しい文化に触れながら、一歩ずつ前進しています。苦労した分、得られるものも多いと感じています。これからの講義や日々の生活を通じて、さらに多くのことを学び、充実した留学生活を送れるよう頑張りたいと思います。それではまた来月!!