バイオ環境学部の2年生以上を対象にした「バイオテクノロジー産業の最前線」は、学生たちの社会に出てからのキャリアアップを目的に実施しています。15回にわたってオムニバス形式で開講している本講義は、毎回産業界(食品、化粧品、医薬品、等)や研究機関の第一線でご活躍されている方を講師としてお招きし、ご講演いただいています。
第15回目は、1月17日に、カゴメ株式会社東京支社健康事業部シニアスペシャリストの菅沼大行氏に「健康のために食品を“測る」と題してご講演いただきました。
冒頭、カゴメ株式会社の会社紹介として、お馴染みのトマトケチャップやトマトジュースだけではなく、各種野菜ジュース、また、最近注目されている機能性表示食品など、幅広く展開しているとの話がありました。日本人の野菜摂取不足に起因する生活習慣病や認知症の予防にも関連するため、このような問題の解決のためにも取り組んでいるとのことでした。
昨今、日本人の平均的な野菜摂取量は1日あたり約260 gと目標量の350 gを大きく下回ることから、「どうすれば、野菜をもっとたくさん食べてもらえるか?」や、「野菜が足りているかどうかを知るためにどうしたらいいか?」という問いをベースに個人ワークによる授業を進めました。学生も自分ごととして捉え、自分たちの食習慣を見直すためのいい機会になりました。
最後に、緑黄色野菜摂取量が測定可能な「ベジチェック」という装置を使用して、実際に学生の摂取量を測定。その結果、日本人の平均値よりも下回っている学生が多く、改めて緑黄色野菜の摂取不足を実感できた様子で、今後食生活を改善しようと思うという声が聞けました。
今回で、全15回の授業は終了となりました。この授業を通じて、企業や研究所の第一線で活躍されている方々の生の声を聞くことができたことは、インターンシップでの企業研修とはまた違った学びがあり、学生にとって大変有意義なものとなりました。
ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
(バイオ環境学部 教授 藤田 裕之)