2023年7月5日、人文学部心理学科 君塚洋一教授が京都府立福知山高等学校の生徒にオンラインで模擬授業を行いました。同校の5人の生徒たちは、高校の探求学習として自主的に進める「推し」についての研究の参考にしようとこの授業に参加しました。
メディア論や芸術社会学を専門とする君塚教授が話したテーマは、「『推し』のチカラ:推奨コミュニケーションの不思議(マジック)」。
アイドルやアーティストへの「推し活」が世の中に広がる昨今、「推し」はファンに元気を与え、人生を楽しいものにします。授業では、多くのファンを惹きつけるタレントやアーティストたち「推し」の大きな力が、予想以上にいろいろな次元で働いていることを学びました。
こうした「推し」の力は、コンテンツや商品の販売、投げ銭など寄付の収集にはもちろん、ファンを増やすためにファン自らが行う「宣伝」という無償の労働や、アーティストとは無関係の商品の消費を促すことにも使われており、このような現象の意味を生徒らと一緒に考えました。
講義と質疑応答の後、推しのイメージカラーがファンによる商品の色彩選択に与える影響の実験など、生徒たちからも探求学習の内容が紹介され、テーマについての質疑と意見交換が行われました。
参加した生徒の感想・意見
- 君塚先生、このたびは大変貴重なお話をありがとうございました。先生の話はどれも興味深いもので、とても勉強になりました。今後の研究の中で再度相談をさせていただくこともあるかもしれませんが、その際はどうぞよろしくお願いします。
- 推しによるものや好意を抱いているものからの印象操作はすごく大きいとわかりました。全く関係のないものでもつながり、悪い印象のものがよい印象に変わるというのは恐ろしいことだとも思いました。
(人文学部 教授 山本淳子)