経済経営学部経営学科の『起業・事業継承コース「実践プロジェクトⅡ 鈴木貴之准教授」』では、企業から提示された課題に対して、学生が解決法を検討して実証する、きわめて実践的な授業を行っています。今回は、一般社団法人 京都知恵産業創造の森から依頼のあった、「コメダ珈琲店京都錦小路店の集客」の課題について、学生8名が2つのチームに分かれて、2024年9月30日から7回にわたって取り組みました。まず第1回は、コメダ珈琲店京都錦小路店の運営会社である株式会社モイホールから当該店舗の状況について説明していただきました。その後、第2回ではコメダ珈琲店京都錦小路店を訪問し、グループごとでディスカッションや作業を行い、最終の第7回では学生が考えた集客のアイデアをプレゼンテーションしました。
解決策を検討する過程において、過去に実施された集客に向けたPR活動の説明を受け、学生(若者)および地域の住民や隣接する企業の勤務者の集客方法について考案することにしました。その中で、学生を集客するためにSNSで発信するコンテンツの作成をゴールとしました。店舗見学に合わせ、最寄り駅から店舗までのルートを調べたり、店舗前を通る錦小路通の周辺店舗の外観をいろいろな角度から観察、インターネット上の情報等を調査したりするなどして、発信するコンテンツを作成しました。学生が考案したアイデアの中には、京都市景観条例やコメダ珈琲のコーポレートアイデンティティ(CI)の観点から実現が困難なものあり、今回の授業を通して、都市景観や企業の存在価値について学ぶことができました。
公開された学生の製作による動画が店舗の集客に寄与し、企業や社会と地域共創して、実践型教育を進める京都先端科学大学の活動を知っていただく機会となりました。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 鈴木貴之 准教授
本プロジェクトを通じて、学生たちは机上の学びと実践の間にあるギャップを肌で感じるとともに、三現主義(現場・現物・現実)の重要性を理解することができたと思います。店舗の訪問を通じて実際の課題に触れることにより、理論だけでは得られない実践的な視点などを養う貴重な機会となりました。本プロジェクトは、学生にとって実務に近い学びができたと考えています。就職してからも、現場に足を運ぶことを意識してもらいたいと思います。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 2年生 左賀葵 さん
私は、授業を通じて、コメダ珈琲店京都錦小路店の視認性を向上させるためにInstagramを活用した宣伝方法に力を入れました。取り組みを通じて、SNSが企業のブランド認知度向上に果たす重要な役割を実感しました。また、自分自身が興味を持つ分野である宣伝や広告についての理解が深まり、この分野でさらに知識やスキルを磨きたいと考えました。この授業は、実際の事例を通して、自分の将来のキャリアビジョンを具体化するきっかけとなった良い機会でした。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 2年生 山本流輝 さん
コメダ珈琲店錦小路店は、店舗が2階に位置しているため、視認性が悪く、認知度が低い。そして、制約条件として、看板の設置、新商品の開発、割引券の配布は禁止されていたため、私たちの課題であるSNSを使って、コンテンツマーケティングすることや視認性を高めることのアイデア出しに苦労しましたが、とても勉強になりました。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 2年生 坪田大 さん
課題解決のために店舗に訪問して、解決策を提案することができた。条件や制限などもあって難しかったが、そういった縛りの中で解決策を考えることができ良い機会でした。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 2年生 中嶋美帆 さん
コメダ珈琲さんのプロジェクトに参加して、大きな課題をどのような方法で解決すべきかチームで協力して考えることができました。また、他の授業とは異なり実際に店舗などに訪問し、新たな解決案を考えることができました。日々の授業では企業の人の交流があまり無く、教授の話を聞いて学ぶことだけでしたが、今回実践という形で参加でき学生の考え方と企業側の考え方が異なっていたため、新たな学びや別視点から考えることができました。
株式会社モイホール 飲食事業部 市川加奈 課長
私たちが「できないだろう」と除外していた選択肢が学生たちにはあり、学生ならではの柔軟な発想力は大変参考になりました。こういうものがあった方が良い、これはできないのかあれはできないのか、積極的な質問や指摘もあり、興味深く取り組んでいただけたことを嬉しく思います。
また、SNS運用については私たち以上の知識やスキルをもっており大変勉強になりました。今後は頂いた案を実現できるよう進めていき、コメダ珈琲店京都錦小路店を盛り上げていきます。
(一社)京都知恵産業創造の森 産学公連携推進部 袴田莉絵 主任
京都知恵産業創造の森では、企業と大学をつなぐ支援を行っております。このたび、コメダ珈琲京都錦小路店様をご紹介し、本プロジェクトにお取組みいただきました。最終発表会にも参加させていただきましたが、学生ならではの視点から様々なアイデアが提案され、その柔軟な発想力に驚きました。今後も実践的な学びを通して、自身の視野をさらに広げ、自分の強みや興味を見つけて欲しいと思います。皆さんのこれからのご活躍を期待しています。
(オープンイノベーションセンター・亀岡(OICK) / 研究連携センター 柴田雅光)