10月23日、ホテルグランヴィア京都「源氏の間」で、京都先端科学大学(KUAS)主催の「第6回 KUAS 京都先端セミナー」を開催しました。今回は、『源氏物語~千年前の女性たちに学ぶ キャリアとリーダーシップと「美」』をテーマに、本学特任教授でもある華道家元池坊の池坊専好次期家元と、『源氏物語』など平安文学の研究家である山本淳子教授が登壇し、モデレーターを本学の国際学術研究院の山本名美教授が務め、リアルとオンラインを合わせて約200人が参加しました。
セミナーの前半は、『源氏物語』で描かれている「美意識」についてトークが繰り広げられました。山本淳子教授は、平安時代の貴族社会を舞台に、貴公子である光源氏が理想の愛を求めながら自身の魂の救済を遂げる壮大な物語について解説。池坊専好次期家元は、『源氏物語』に登場する「橘」や「紫式部」を用いたいけばな作品を前に、いけばなの思想を通してこの物語を読み解きました。
後半は「千年前の女性のキャリアとリーダーシップ」について、まずは山本淳子教授が、一条天皇の后としてリーダーとなる宿命を背負った定子と彰子の対照的な生き方と、それぞれの妃に仕えた清少納言と紫式部の身の処し方に触れ、続いて、池坊専好次期家元が、決して画一的ではないリーダー像について自身の考えを述べました。
参加者は、二人の興味深い話に引き込まれた様子で、イベント終了後には「平安時代の女性たちの生き方が現代にも響く」「いけばなの奥深さと『源氏物語』の美しさを改めて感じた」など多くの声が寄せられました。
今後も京都先端科学大学は、様々なテーマを取り上げ、人々が豊かな感性を育む機会を提供します。
当日のセミナーの動画は、下記でご覧頂けます。
(学長室 岡 徹)