2024年7月17日(水)、本学京都太秦キャンパス西館において、経済経営学部学会の2024年度第1回研究会が開催されました(対面ならびにオンラインによるハイブリッド開催)。今回は、本年度より本学に着任された前川佳一特任教授による研究報告が行われ、出席した多くの会員との間で活発な議論が交わされました。
- 報告者
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前川佳一 特任教授
- タイトル
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経営学理論の観光への応用案
- 報告概要
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言葉としての「経営」と「観光」とは同じドメインにない。なぜなら前者は学問分野に属し(経済学、法学、工学、医学などと同様)、後者は産業界の一分野(製造業、サービス業、農林水産業などと並ぶ)を示すからである。翻って、経営学(特に米国)はその昔、製造業に端を発し、観光学は永く、社会学や文化論が議論の中心であったのではないか。両者の交わりは浅く、未熟である。
本報告では観光あるいは観光産業を、社会学でも文化論でも情報学でも地理学でも環境工学でも歴史学でもなく、あくまで経営学の枠組みで俯瞰する。そうして、製造業やサービス業や観光業という業態の別にもとらわれず、横断的に思考・研究・実践する試みとする。具体的には次の4つの経営学コンテクストの観点(理論)をもとに、観光業の現場で応用できそうな概念やツールの開発を目指す。・2要因理論(衛生理論)
・サービスの表舞台と裏舞台
・日本のサービス品質
・モジュラー/インテグラル vs ハイ/ロー・コンテクスト
(経済経営学部 講師 田口 広樹)