2025.02.28

本学 バイオ環境学部の学生5人が公立学校の教員として採用

Xでシェア Facebookでシェア Lineでシェア

令和7年度(2025年度)公立学校教員採用選考試験が行われ、本学からは5人の学生が公立学校の中学校、高等学校の教諭として採用されました。文部科学省によると、令和6年度公立学校教員採用選考試験の倍率は、中学校教員が4.0倍、高等学校教員では4.3倍だったのに対して、2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍(リクルートワークス研究所調べ)であり、教員試験がいかに難関なのかがわかります。また、教員になるためには教職課程の授業を追加で受講する必要があり、学生はより多くの勉強時間を確保しなければならないなどの負荷が要因になり、全国的に教員を目指す新卒者の数は減少傾向にあります。また、教員免許を取得しても教員採用試験を受けない学生も多くいます。この様な環境下、本学では教員の採用数が増加しています。

本学の教職課程では、人文学部、バイオ環境学部、健康医療学部健康スポーツ学科の学生を対象に、小・中・高等学校での教員経験のある教職課程専任教員が配備されています。その選任教員が、教職の面白さや教員の魅力を伝えながら、本学の特徴である実践的な教育に重点をおいて授業を実施しています。実践的教育とは、他学ではあまり実施されない模擬授業を学生一人当たり50分間、半期の間に複数回実施し、学生が“教える”技能を習得するための機会にしています。バイオ環境学部では2年生の秋学期中に学習指導案の作成方法を習得し,3年生で模擬授業に臨みます。秋学期には実験・実習の模擬授業を、実際の実験室で行います。さらに、すでに就職が決まっている4年生が生徒役として協力するなどにより、リアリティのある模擬授業を体験します。教員採用試験には1次試験(筆記)と2次試験(面接、模擬授業、実技)があり、本学では2次試験に向けて、面接指導、場面指導等など徹底した指導を行っています。本学学生は、教職課程において模擬授業に取り組んでいることもあり、2次試験の合格率が高い傾向にあります。教職希望学生には、2年生の時から教員選考試験に取り組んでいる者もおり、3年次に教員採用試験を受験し、一次試験免除になっている学生もいます。

さらに担当教員が、教職を志す学生のモチベーションを高めるため、地域の中学、高校での授業参観、教員との交流会を実施しています。また、地域の中学校でのボランティア活動の紹介、外部の模擬テスト受験や教員による面談を実施し、学生のスキルや知識向上を図ることで教員採用試験合格率を向上させています。

これからも本学からより多くの教員を輩出していくことを目指します。

学生と指導教員

教員の声

京都先端科学大学 教職課程指導室 大舘 健司先生

理科教員養成を担当しています。本学の教職課程指導室には経験豊かな中学・高等学校校長経験者が専任で配置されており,現場での実地経験をもとに,手厚い指導・支援を行っています。特に,教員採用試験対策として,受験先の選定から,2次試験の面接,模擬授業,場面指導に至るまで十分な時間をかけて丁寧な指導を心掛けています。昨年度は理科教員志望者が2人採用され,現場で活躍しています。本年度もバイオ環境学部では6名の教員志望者全員が,一次試験を合格し,そのうち5人(1人は、高校農業,4人は中学理科)が2次試験も合格して内定をいただいております。採用試験に向けての取組は,長期にわたって努力し続けることが必要です。くじけそうになった時もあるとは思いますが,様々な困難を乗り越えた成果が実り,見事に採用内定に繋がりました。今,学校現場では絶えず変化していく学校や社会のニーズに柔軟に対応できる人材が求められています。今後も,大学卒業後から「即戦力となる教員」の養成を目指して努力する所存です。本学の多くの学生が,全国の自治体に旅立つとともに活躍することを期待しております。

京都先端科学大学 教職課程指導室  長谷川 清隆先生

この度、念願叶い4月から新規採用教員として生活をスタートされる皆さんを、私は誇りに思いますし、心からエールを送ります。
昨今、教職に対してマイナス面がよく報道等で取り上げられていますが、実際の学校では教育活動にがんばる生徒の成長を糧に、多くの先生方が日々活躍しています。学校は生徒にとっては「学びの場」ですが、教員にとっては働く「職場」でもあります。1年目からいろいろな業務を担当するでしょうが、早く学校・職場に慣れ、実践的なスキルを高めてください。
そして、皆さんが、赴任校の目指す教育目標達成の一翼を担い、充実した教員人生を送れるよう、期待しています。

学生の声

京都先端科学大学 食農学科  長谷川 幹太さん 愛媛県 高校農業 採用

私は高校生の頃に、農業教育の楽しさに触れ、教職に魅力を感じ、京都先端科学大学に入学しました。慣れない一人暮らしの中、教職課程を履修することは体力、能力的に難しく、くじけそうになる時もありました。教育実習では準備も現場での職務も非常に大変だったのですが、その分生徒とHRや授業で関わる時間は、他では味わえない充実感とやりがいを感じました。私は、教師を目指す友人や丁寧に指導してくださる先生方のおかげで教職課程を終え教員採用試験に合格することが出来たと感じています。現場でも学ぶ姿勢を忘れずに、より良く生徒達を導ける教師になります。

京都先端科学大学 バイオ環境デザイン学科  西川 赳琉さん 名古屋市 中学理科 採用

教職課程で苦労したことは、授業作りです。授業作りでは生徒の反応によって対応を変化させる必要があるため、生徒がどのような反応をするか考え、授業の進め方を変えていく必要があるため、苦労しました。大学の授業で何回か授業を行うことがあり、お互いの授業を見て、仲間や先生から指摘やアドバイスをもらうことで、全員がより良い授業を作れるようにしていました。実際に、授業を作る際は、指摘が少なくなり、アドバイスがたくさんもらえるようにしていました。その結果、教育実習でも自信を持って授業を行うことが出来たと思っています。

京都先端科学 バイオ環境デザイン学科  森田 滉介さん 浜松市 中学理科 採用

私は、教職課程を通じて、多くのことを学び、成長することができました。中学生の頃、楽しい理科の授業に出会い、その授業がきっかけで理科が好きになりました。自分もそんな授業をしたいという思いから教師を目指し、授業づくりに励んできました。しかし、理想通りにいかないことも多く、悩みや挫折を経験しました。時には「向いていないのでは」と考え、教師の道を諦めかけたこともありました。それでも、「理科を楽しむ」ということを忘れず、努力を続けたことで、最後までやり遂げることができました。この経験を通じて、教師としてだけでなく、人としても大きく成長できたと実感しています。 後輩の皆さんには、勉強だけでなく、多くの人と関わり、遊ぶことの大切さを伝えたいです。人との対話や遊びの経験を通じて、授業に活かせる学びが必ずあります。どんな経験も無駄にはならず、すべてが自分の糧になります。何事も楽しんでみてください。

京都先端科学 バイオサイエンス学科  今井 大智さん 福岡県 中学理科 採用

教職課程を履修しておられる皆さんへ
皆さんは今、挫折しそうですか?
私は挫折しそうになったことが何度もあり、他の教職課程を履修していた人達も同様です。傍から見ると教職課程はしんどいことが目立って見えます。しかし、教職課程の授業は頻繁に意見交換が行われており、その中での馴れ合いは無いため本当の意味での仲間と共に困難を乗り越えていき成長ができるという様な貴重な経験を得られて、何物にも代え難い場であります。雨が降るから花が咲く。という言葉があるように苦をただ忌避するのではなく自分と仲間の成長の恵みに変えていくことを念頭に置いて日々、邁進してください。

皆さんがそれぞれの大倫の花を咲かせられることを切に願っています。

京都先端科学大学 バイオサイエンス学科  岩瀬 天斗さん 滋賀県 中学理科 採用

後輩の皆さんへ

「疾風に勁草を知る」

この言葉には、「困難や試練に直面したときこそ、人の真の強さや信念が明らかになる」という意味があります。順調に進まないこともあるかもしれません。しかし、挑戦の中でこそ本当の力が試され、それを乗り越えた先には、より成長した自分がいるはずです。 教職課程を履修する中で、成長を実感する瞬間もあれば、思うように上達できず自信をなくすこともあるでしょう。しかし、成長とは上達だけを指すものではありません。自分の課題に気づき、それと向き合うことも大きな成長の一歩です。教員を志した自分の決意を信じ、一歩ずつ着実に前進してください。皆さんの努力が実を結ぶことを心から願っています。

(オープンイノベーションセンター・亀岡(OICK) 柴田雅光)