3月4日、京都市 右京区役所で、一般社団法人 京都中小企業家同友会右京支部 地域連携委員会例会が開催され、同友会会員企業のほか、右京区役所、右京ファンクラブ、地元金融機関、本学の学生ら約40人が参加しました。この会議では、世代別に右京区の未来を共有し新しい未来を創造する試みである「右京区って好きですか?~未来を作るのはキミたちダ!!~」の実施について、ワークショップ形式で検討しました。会の冒頭、京都中小企業家同友会右京支部の挨拶に続いて、人見早知子 京都市右京区長が、「京都市では、松井市長の1期目の任期である令和9年度までの市政運営方針「新京都戦略」を策定しており、その中で「区役所が地域・企業・大学・福祉関係団体・NPO等をつなげる結節点となり、行政と地域の垣根を低くして、課題解決にみんなで取り組んでいく」としていて、本日の例会はそれを先取りしていただいている取組として大変ありがたい」という挨拶がありました。続いてワークショップが開催されました。
ワークショップでは、世代別に7つのグループに分かれ、先ずは地域の課題について検討し、グループ単位に発表。次に、各チームから提供された課題をシャッフルして、別のグループで解決策を検討し、その結果の発表を行いました。私たちが暮らし、働き、学ぶ右京区が抱える課題について考え、その解決策を皆で議論していくことで、地域への関心が高まり、解決策を皆で実践すれば、魅力ある右京区を創造することが可能になると考えます。
現在、右京区内には9つの大学があり、その学生の多くは自転車を利用しているにもかかわらず、自転車専用道が無いのが課題と、学生グループから発表しました。そして、学生から出されたこの課題について、人見区長が参加するグループで検討され、道路交通法や地域住民のコンセンサスと言った課題解決にあたってのリアルな問題提起がされました。自治会や企業と協力して時間帯によって自転車の進行方向や優先手段を変える、また、人流、混雑状況等をアプリを通じて提供し、誘導するというアイデアが検討されました。
ワークショップ終了後、アプリ開発を京都先端科学大学でできないないかという相談もあり、今後、魅力ある右京区の未来創造に向け、本学も連携して取り組みます。


京都先端科学大学経済経営学部経済学科 4年生 川村美空 さん
学生という立場で例会に参加させていただき、右京区を支える地域の皆さんと意見交流ができたことで、魅力あふれる右京のまちづくりの一端を垣間見ることができました。まちづくりは行政が主体となって行っているものだと思っていましたが、右京区の地域の皆さんが主体となり街を支えていることが右京区の魅力に繋がっていると感じました。私は4月から公務員として従事するため、今回参加した経験はまちづくりの大切な根幹を学ぶ良い機会になりました。
京都先端科学大学経済経営学部経営学科 4年生 大西優太 さん
大人の方達と右京区の問題を取り上げる時に、多くの視点から問題点が沢山出たことを実感しました。また、課題解決のディスカッションの際に、多くのアイデアを出せば出すほど、他のアイデアと結びつくことができ、より良い解決策が生まれることに気づきました。 この経験を活かして私は、仕事の時も自分の意見やアイデアをしっかり持ち、躊躇することなくそれらを沢山提案するということを意識していきます。
京都先端科学大学工学部機械電子システム工学科 1年生 藤森陽太郎 さん
右京区の広さや多様な魅力について改めて知ることができました。特に、嵐山や京北など、自分があまり知らなかった地域の特徴や課題を学ぶことができ、右京区にさまざまな魅力があることを実感しました。また、地域課題の解決策を世代を超えて話し合うことで、異なる視点の大切さを実感しました。社会人になっても、地域の課題に関心を持ち、周囲と協力して解決策を考える姿勢を大切にしたいと感じました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
(一社)京都中小企業家同友会右京支部 永原章之 副支部長
今回の例会開催趣旨は右京区に関わる人たちで交流の場を持ち、もっと深く右京区を知り、もっと右京区を好きになってもらおうというのが大きな目的でした。我々は普段、経営者同士のみで勉強会を行っています。しかしながら「地域連携」という大きな枠組みに取り組む中で、地域の最前線で活動されている方々との交流が希薄でした。「地域の事は地域の方々に聞く」その大切さを感じられるとても良い機会となりました。特に学生さんの課題解決策の発表時には、会場の皆がその発想力に驚かされました。次年度もこのような場を設け、それぞれの立場から自分たちの地域を良くする為の一助となれるよう邁進してまいります。ご参加頂いた大学の皆様、ありがとうございました。
京都市右京区役所地域力推進室 薮木美緒子 企画課長
世代別での意見交換というグループ分けが大変新鮮で、初めて顔を合わせる方がいる中でも、共通の問題認識もたくさんあり、非常に活発な意見交換ができ、とても楽しかったです。
ライフスタイルの多様化や少子高齢化社会において、その方が「今何をしているか」に焦点を当てるのではなく、「どんなことを課題や問題に感じているか」を、安心して発言できる場を作っていただいたこと、とても感謝しています。
今後は、区役所も、学生・教員・職員の皆さんが参加しやすい、様々な立場の方が出合いつながれるような、意見交換の場を作っていきたいと思います。
(研究連携センター/オープンイノベーションセンター・亀岡(OICK) 柴田雅光)