2025.03.25

高野特任教授らの研究グループは黄砂が肺に炎症を起こすメカニズムの一端を明らかにしました

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国際学術研究院・共生健康科学研究機構長 高野裕久教授(京都府立医科大学客員教授・京都大学名誉教授)らの研究グループが、黄砂(以下、ASD)が肺に炎症を起こすメカニズムの一端を明らかにしました。

本邦にも飛来してくるASDは、喘息や肺炎の病状を悪化させることが知られていましたが、研究グループはASD粒子を貪食した肺胞マクロファージという細胞がnecroptosisという細胞死を起こし、その結果放出されるIL-1αという物質が肺に炎症を引き起こす重要な因子であること、この過程にはエンドトキシンという微生物由来の成分が重要であることを世界で初めて明らかにしました。

『今後も、京都大学や京都府立医科大学をはじめとする国内外の大学との共同研究を、共生健康科学研究機構(KUAS-RICH)で進めていきたいと考えています。』と、高野教授は語っています。

<論文タイトルと著者> 


タイトル

Acceleration of acute lung inflammation by IL-1α released through cell death of alveolar macrophages upon phagocytosis of fine Asian sand dust particles(黄砂粒子を貪食した肺胞マクロファージの細胞死を介して放出されるIL-1αが肺の急性炎症を増強させる)


著者

Sagawa Tomoya; Ichinose Takamichi; Honda Akiko; Kuroda Etsushi; Ishikawa Raga; Miyasaka Natsuko; Nagao Megumi; Okuda Tmoaki; Kawahito Yutaka; Takano Hirohisa.


掲載誌

Environment international



(研究連携センター 横山儀八)