2024.11.22

第8回『バイオテクノロジー産業の最前線バイオテクノロジー産業の最前線「機能性農産物開発と新たな機能性表⽰制度」』を開催

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バイオ環境学部の2年生以上を対象にした「バイオテクノロジー産業の最前線」は、学生たちの社会に出てからのキャリアアップを目的に実施しています。15回にわたってオムニバス形式で開講している本講義は、毎回産業界(食品、化粧品、医薬品、等)や研究機関の第一線でご活躍されている方を講師としてお招きし、講演いただいています。

11月15日に開催した第8回目では、農業‧⾷品産業技術総合研究機構(以下、「農研機構」)の⾷品研究部⾨エグゼクティブリサーチャーとして、食の機能性、特に農産物による機能性表示食品の創設にご尽力された山本(前田)万里先生をお招きし、「日本の機能性表示制度と機能性食品開発」についてご講演いただきました。

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講演の様子

冒頭、今後の高齢化社会における健康寿命を延伸するための生活習慣の改善、特に食生活の重要性について説明され、我が国の食と健康に関する問題点や日本における食品機能性研究のこれまでの歩みについてお話しを伺いました。

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日本国内に保有している素材の紹介

続いて、日本には食品の機能性に関して保健機能食品制度というものがあり、これは「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の3つに区分されることということについて、実際の商品を例に挙げながら、それぞれのカテゴリーの違いについて分かりやすく説明していただきました。特にご専門の農産物向けの機能性表示の取り組みには、原料となる食材から製品化までの流れに沿ってご紹介いただきました。

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最後に、最近話題になっている、個々人に合わせた「セルフケアフード」について、今後その人の、その時の状態に適した食事の提案ができるようになるかもしれないという夢のような話もありました。

今回の講演では、130枚のスライドを使い、また、具体的な事例や商品を多く紹介いただいたことで、出席した学生はより具体的なイメージを持って食生活の大切さについて学べました。

次回は、11月22日(金)に、(株)ファーマフーズ開発部主任研究員の道下僚先生、研究員の山口加洋子先生のお二人を講師にお招きして行う予定です。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)