「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。
第2回は、香椎化学工業株式会社カシーテクニカルセンター開発本部学術グループ課長として、化粧品の開発や、医薬部外品の厚生労働省への申請業務にも携わっている村田祥全先生に「化粧品とその開発」と題してご講演いただきました。
一般的に「化粧品」と言われる物には「医薬品」、「医薬部外品」および「化粧品」の3つのカテゴリーに分けられ、広告表現などで表示できる内容も異なります。そのような基本的な理解に加えて、実際に化粧乳液を製造する過程について動画を交えて分かりやすく説明していただきました。
また、皮膚の持つバリア機能について、皮膚化学的な点から詳しく説明をしていただいた後、紫外線、特にUV-AとUV-Bの違いや、これらによる皮膚への影響、またこれを守るための指標であるSPFや、これを防ぐための日焼け止めの成分についても教えていただきました。シミやソバカスの原因ともなる紫外線対策の重要性について、大変参考になる内容でした。
食品と異なり、化粧品は一般的に3年間の消費期限を設けなければいけません。村田先生からは、腐敗や変敗を防ぐために必要な製品の安定性を高めるための苦労も伺うことが出来ました。また、逆に微生物を利用して開発された製品も多く販売されているとのことで、今後このような分野での活躍も期待していると励ましのお言葉も頂きました。
次回は、2024年10月11日(金)13:20から月桂冠株式会社総合研究所長の石田博樹先生を講師にお招きして行います。
(バイオ環境学部 教授 藤田裕之)