心理学科社会・産業プログラムの「専門演習」(君塚洋一クラス)では、「社会調査を生かした市民や消費者への広報」をテーマに、京都の魅力を調査し、その成果の幅広い発信を行っています。
今年度は、21世紀の京都ならではのひと味違った観光の魅力を、現地を訪ね、学生たちの目線で掘り起こすことを目的としています。近年、制御可能な限度を超えて観光客が集中し、地域から危機感をもって受けとめられる「オーバーツーリズム」のなかで、この古都のよさを維持するために市民や観光客とともに考えていくべきことをゼミ独自の観光広報媒体(冊子/SNS等)を通じて発信することをめざします。
6月27日(木)、ゼミ生8人は食の分野で京都の魅力を作る老舗などの視察調査を行いました。今回は、京都を代表する観光案内団体「まいまい京都」の案内人・山田章博さんの案内で、中京区の寺町通りを中心に「亀屋良永」(和菓子)、「京都ぎょくろのごえん茶」(オリジナルのお茶)、「白々(ぱくぱく)寺町御池」(羽釜おむすび)、「青果さくらいや 寺町店」(京野菜)の4店を訪れました。そして、和菓子・京野菜などの伝統的な特産物から、こだわりの原料やパッケージでお茶やおむすびの新味を売り物にした産品まで、さまざまな観光商業の最前線を調査しました。
この演習クラスでは、オーバーツーリズムのなか、どうすれば観光客に京都の魅力と古都の「たしなみ」の双方を学ぶ機会を提供できるか、そして内外の方々が力を合わせそんな古都の魅力をどのように維持していくか、地元関係者のお知恵もいただきつつ、広報媒体づくりを通じて投げかけていく予定です。
(人文学部心理学科教授 君塚洋一)