2024.07.18

丹羽教授の共同研究 が「令和5年度土木学会論文賞」を受賞【バイオ環境学部】

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九州産業大学、京都先端科学大学、京都大学、(公財)京都市都市緑化協会の研究者の共著論文「伝統的雨庭としての相国寺裏方丈庭園の雨水管理性能の実測と評価」が公益社団法人土木学会の「令和5年度土木学会論文賞」を受賞しました。この論文は、京都の相国寺裏方丈庭園を対象に雨水収支の実測評価と要因分析を試み、それに基づく新しい雨庭デザインの提案を行ったものです。

審査員からは「流域治水および分析手法を日本古来の庭園に取り入れ、貯留・浸透機能などに関しての定量的な分析評価を行い、高い浸透機能の持続に寄与することを明らかにしている。枯山水庭園の雨水管理性能という新たな価値を提示し、文化的伝統施設を科学的に位置付けることに成功した点は、着眼点が斬新かつ先駆的で高い学術的新規性が認められる。加えて、浸透機能の観点からの雨庭デザインへの展望を提示するなど、質の高いグリーンインフラの構築に向けて今後の発展や普及が見込める成果が得られている。本論文は学術面と実務面に対する貢献がともに高い水準にある」と評価されました。

相国寺裏方丈庭園の枯山水に雨庭としての機能があるのでは?という着想から始まった研究プロジェクトです。私は、貯留・浸透機能の評価に必要な3Dモデルをつくる役割を担ってきました。その技術は生態系のモニタリングで培われてきたもので、様々な研究に応用しています。グリーンインフラの機能を定量的に評価することは重要な研究テーマであり、今後も、この研究を発展させていきたいと考えています。

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(バイオ環境学部 教授 丹羽英之)

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