本学のアレックス・カー教授(人文学部)が、2024年日本建築学会賞文化賞を受賞しました。4月19日(金)に一般社団法人日本建築学会(以下、建築学会*)が受賞者を発表し、さる5月30日(木)に賞の贈呈式が催されました。
日本建築学会賞文化賞は、建築学会の会員以外を対象に、建築文化の向上、建築への理解と認識向上等に貢献した業績に対して授与されます。東洋文化研究家として知られるアレックス・カー教授の受賞は、日本文化や建築・景観・観光に関する執筆を通じた活動とともに、古民家の保全と地域づくりへの貢献が評価されてのものです。
アレックス・カー教授の同賞の授与について建築学会は、「(中略)アレックス・カー氏による執筆活動と古民家再生は、当事者である私たちが気づきにくい日本の良さを再認識させ、建築文化のあるべき姿を考える上での啓発となっている点で傑出していると言える。よって、ここに日本建築学会文化賞を贈るものである。」との声明を発表しています(全文はこちら)。
*建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかることを目的に1886年(明治19年)に設立された歴史ある学会
アレックス・カー教授のコメント
今回の賞は古民家の『現代建築』としての価値を認められたものでもあり、とても嬉しく思っています。最近までは、古い家があっても、昔のまま『資料館』として保存するか、解体してプレハブ住宅を建てるかの二択だったように思います。私は両者の間に活路を見出しました。古民家の良さを活かしつつ快適な設備を取り入れ、古い家を『今の時代に引っ張ってくる』ことに尽力してきました。
数百年前から残る古民家は、木造建築の文化財であり、重要な歴史遺産ですが、恐ろしいほどの速度で次々と取り壊されています。今後も自然と伝統文化の再認識を促しつつ、出来るだけ多くの古民家を改修し健全な形で後世に繋いでいきたいと思います。適切な観光産業によって日本従来の美しさが蘇られることを心から望んでいます。
(広報センター 浦田剛)
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「先端ツーリズムコース」(日経ビジネス6月5日号より)