本学人文学部佐藤嘉倫教授が共同編集した『AIはどのように社会を変えるか-ソーシャル・キャピタルと格差の視点から-』(佐藤嘉倫・稲葉陽二・藤原佳典(共編)、東京大学出版会)が第1回日本社会関係学会優秀賞を受賞しました。
本書は「AIは社会格差を拡大するのか、拡大するとすればソーシャル・キャピタル(人間関係)はそれを緩和できるのか」という問題に対しさまざまな視角から検討を重ねたものです。佐藤教授は6章「AIを備えたロボットは家族の一員になれるか?」と終章「AI、社会的格差、ソーシャル・キャピタルの関係に関する総合的考察」を執筆しました。
選考委員会委員長の講評は次のように好意的なものでした。
「佐藤嘉倫・稲葉陽二・藤原佳典編『AI はどのように社会を変えるか-ソーシャル・キャピタルと格差の視点から』は、機能向上の著しい AI(人工知能)が社会に与える影響を、理論的考察と社会実践の両面から分析した、12 人の著者による高著である。AI への認識とソーシャル・キャピタルの関係、AI は職を奪うのか、AI への親和性と格差等、内容も多岐に渡る。先行研究を踏まえ、理論とデータを駆使した実証分析は説得力がある。コロナ渦で盛んになったオンライン交流は橋渡し型 SC (ソーシャル・キャピタル)を生成しないが、AI が異質な他者とつなげる可能性等を指摘した終章の総合的な考察が印象深い。」
(人文学部教授 山本淳子)